東京大学大学院工学系研究科「レジリエンス工学横断型教育プログラム」

東京大学大学院工学系研究科「レジリエンス工学横断型教育プログラム」

はじめに

 「レジリエンス工学横断型教育プログラム」は、東京大学大学院工学系研究科における初めての専攻横断型教育プログラムとして、平成25年度にスタートしたものです。このプログラムは、工学系の複数の専攻が協力して、領域横断的なレジリエンス工学に関する専門知識と俯瞰的視野を修得し、さまざまな分野で活躍できる人材の育成を目指しています。
 これまでは、確率論的リスクの概念に基づくリスクマネジメントが、社会の安全・安心の向上に大きく貢献してきました。しかし、技術社会システムの巨大化、複雑化や、科学技術と社会との相互連関の緊密化とともに、従来のリスクマネジメントの手法では不十分であることが認識されるようになりました。特に、リーマンショックや、東日本大震災を経験した今日、さまざまな分野でリスクマネジメントに対する新しいアプローチが求められています。
 以上の背景から、レジリエンスという概念が注目を集めています。レジリエンスとは、外乱やシステム内部の変動がシステムの機能に与える影響を吸収し、状態を平常に保つシステムの能力、あるいは、想定を超えるような外乱が加わった場合であっても機能を大きく損なわない、損なったとしても早期に回復できるシステムの能力を意味します。そのような能力を備えた技術社会システム実現のための学理と方法論に関する分野が、レジリエンス工学です。
 レジリエンスは災害や危機への対応力といった意味ばかりでなく、長期にわたるゆっくりとした環境変化にも適応し、生存できるシステムの能力をも意味しています。ですから、変化する社会環境、経済環境の中で、企業がどうやったらイノベーションを継続し、競争力を維持できるかといったこともレジリエンス工学の課題です。
 皆さんはそれぞれが所属する専攻での専門教育を受けると思いますが、レジリエンス工学にはそれらの専門性に加えて、より領域横断的な視野と専門性が必要となります。本プログラムは、関連する専門分野の教員が協力して、レジリエンス工学に精通し、複雑な実社会課題の解決能力を有する、これからの社会で求められる人材を育成します。本プログラムが、皆さんのキャリアにプラスになることを確信しております。


カリキュラムと履修の方法

【カリキュラム】
カリキュラムは必修科目と選択必修科目で構成されています。レジリエンス工学に共通の基礎学理を学ぶ「レジリエンス工学特論」、「レジリエンス工学特別演習」の2科目が必修科目です。選択必修科目は、以下のような3つの群に分類されています。

レジリエンス基礎工学: 分野に依存しない概念的、あるいは共通基盤的な学理と、レジリエントなシステム実現の手段となる要素技術を扱います。
レジリエンス実践工学: レジリエンス基礎工学の知識を応用して、特定分野におけるレジリエントなシステムを実現するための具体的、実践的な方法論を扱います。
レジリエンス社会科学: レジリエンス工学で実社会課題を解決するためには、社会科学的な分野の素養も必要となりますが、そのような文理横断領域を扱います。



【修了に必要な単位数】
必修科目4単位、選択必修科目10単位以上(各群から2単位以上)の合計14単位以上を取得しなければなりません。なお、所属専攻の修了に必要な単位と、本プログラム修了に必要な単位とを同一科目で兼ねることが可能です。

【プログラム登録手続き】
必修科目を履修する際に、所定の申請用紙に必要事項を記入し、期日までにシステム創成系合同事務室に提出する必要があります。各科目の履修手続きは工学系研究科の定める通常の方法に従い、期日までに履修登録をしてください。

【単位認定】
各科目の成績評価、単位認定は、科目ごとに行われます。

【修了認定】
登録申請後、修了要件を充たした者には、プログラムから「レジリエンス工学横断型教育プログラム修了証」が交付されます。


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 ガイダンス資料(pdf)
 登録申請書(xls)